ドイツ連邦統計局が11日に発表した7月の消費者物価統計の詳細によると、前年同月比のインフレ率は3.8%となり、1993年12月以来の高水準に達した。昨年はコロナ禍対策で7~12月の半年間、付加価値税率が引き下げられており、その反動が強く出た格好だ。上げ幅はエネルギーと非耐久消費財で特に大きかった。
エネルギーは11.6%上昇した。世界経済の回復で原油価格が上昇しているうえ、今年1月に運輸と建築物部門でカーボンプライシング制度が始まったことが上昇に拍車をかけている。石油製品が全体を強く押し上げており、灯油は上げ幅が53.6%、自動車燃料は同24.7%に達した。天然ガスは4.7%で、電力は1.4%だった。エネルギーを除いたインフレ率は2.9%だった
食料品の上げ幅は前月の1.2%から4.3%へと大きく拡大した。野菜が7.2%、食用油種が6.9%上昇している。エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は2.7%だった。
他の分野の物品では衣料品が6.2%、車両が5.2%、家具・照明が4.0%上昇。携帯電話機は2.9%下がった。
物価に占める比重が53%に上るサービスは2.2%増となり、上げ幅は前月の1.6%を大きく上回った。自動車整備・修理が4.9%、飲食・宿泊が3.6%上昇した。
前月比のインフレ率は0.9%だった。サービスが1.5%、エネルギーが1.3%、非耐久消費財が0.6%上昇。パック旅行は22.1%、灯油は3.0%、自動車燃料は2.6%高くなった。衣料品・靴は夏物製品のバーゲンで2.4%低下した。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が3.1%、前月比が0.5%だった。