ヘラー―仏同業フォルシアに身売り―

自動車部品大手の独ヘラーは14日、仏同業フォルシアが同社を買収することで合意したと発表した。ヘラーのオーナー一族が保有株60%をすべて売却するほか、フォルシアがヘラーの残り40%を対象に株式公開買い付け(TOB)を実施する。フォルシアは世界7位の自動車部品メーカーとなる。

フォルシアはヘラー株を1株当たり60.96ユーロで取得する。内訳は株式が60ユーロ、残り0.96ユーロが配当。ヘラーを約68億ユーロと評価したことになる。来年初頭の売却手続き完了を見込む。

ヘラーは2014年にIPOを実施した。その際、オーナー一族は手元に残した保有株をプール化して24年まで一括管理する契約を結んだ。同契約が失効すると一族の出資メンバーが保有株を自由に売却できるようになり、ヘラーの経営に悪影響が出る可能性もあることから、適切な売却先を模索していた。保有株売却後はフォルシア株を最大9%取得するほか、フォルシアの取締役会に役員1人を派遣する。

フォルシアはヘラーを買収することで、電気自動車、自動運転など将来性の高い分野で事業領域を拡大し、競争力を向上させる狙いだ。売上高は現在の146億ユーロから約210億ユーロに拡大することになる。長期的に年2億ユーロのコスト削減効果を見込む。

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