米自動車部品大手ボルグワーナーの独子会社アカゾールは16日、フランクフルトの南方30キロのダルムシュタットで商用車用電池システム工場の開所式を行った。同社によると生産能力は欧州最大。年末までにフル稼働体制に入る。
新工場の生産能力は当初、年1ギガワット時(GWh)。来年末までに段階的に2.5GWhへと引き上げていく。これは商用車1万台強の需要に相当する。総額1億ユーロ以上を投じる。需要が増えれば生産能力を最大5GWhまで拡大できる。
アカゾールはダルムシュタット工科大学の教員と学生が1990年に設立した非営利団体を出発点としている。営利企業となったのは2008年。トラック、バス、電車、船舶など幅広い用途に製品を供給している。18年にフランクフルト証券取引所で新規株式公開(IPO)を果たした。急成長する市場の開拓に必要な資金を確保するため、今年6月にはボルグワーナーの傘下に入った。顧客にはダイムラー、アルストム、ボンバルディア、ロールスロイス・パワー・システムズが名を連ねる。
これまではダルムシュタット北部のランゲンにある工場で製品を生産してきた。新工場は生産工程が大幅に自動化されており、ランゲン工場に比べ生産性が高い。新工場の隣には昨年、新本社を開設した。