首相3候補がテレビ討論、ショルツ氏の優勢変わらず

連邦議会選挙に向けた第1回目の首相候補テレビ討論会が8月29日に行われた。社会民主党(SPD)のショルツ首相候補は経験豊富な現職閣僚としての強みを発揮。有権者アンケートで高まっている優位性を討論の場でも保つことに成功した。

人気が低迷するキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)のラシェット首相候補と緑の党のベアボック首相候補は民放RTL主催の同討論会で積極的に攻勢をかけた。これに対しショルツ氏は普段の冷静な姿勢で臨み、ラシェット氏の事実誤認をさらりと指摘するなど巧みに対応した。財務相を務めるショルツ氏は職務上、予算権限を握っていることから、政府の政策に幅広く通じている。

ラシェット氏は討論で、SPDと緑の党が急進左派の左翼党と連立政権を樹立する恐れがあると強調した。中道派の有権者の危機感を煽り、票を奪い取る狙いからだ。これに対しショルツ氏とベアボック氏はともに、左翼党が北大西洋条約機構(NATO)の否認路線を改めない限り同党との連立はあり得ないとの立場を明確に示した。

ベアボック氏は首相となった場合、再生可能エネルギー発電の大幅拡充に向け国土の2%を風力発電の割り当てるほか、新築住宅にソーラー発電パネルの設置を義務付ける意向を表明した。

討論会直後に行われた視聴者アンケート調査では、ショルツ氏を論戦の勝者とする回答が最も多く36%に上った。2位はベアボック氏で30%。ラシェット氏は25%にとどまった。

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