ポルシェ―アジアに初の工場、中国にはR&D拠点―

フォルクスワーゲン(VW)の高級乗用車子会社ポルシェは8月30日、成長市場のアジアでプレゼンスを大幅に強化する計画を発表した。中国に研究開発(R&D)拠点、マレーシアに工場をそれぞれ開設する。

マレーシアでポルシェ車の輸入・販売を手がけるサイム・ダービーと共同で現地に組み立て工場を設け、来年から生産を開始する。ポルシェが欧州域外で生産するのは初めて。同国需要を賄うことが目的で輸出は行わないことから小規模生産となる。ポルシェの昨年のマレーシア販売実績は400台(前年比9%増)だった。

市場規模が小さいにも関わらず同国で現地生産に踏み切るのは、関税が高いため。輸入車に対する抑制を強める国が増えていることから、同社はマレーシアで現地少量生産のノウハウを獲得し、将来的に他の国で活用できるようにする狙いだ。

中国は6年前からポルシェ最大の市場となっている。昨年の現地販売台数は約8万9,000台で、全体の約3分の1を占めた。同社はこれを踏まえ来年、上海に研究開発拠点を開設する。同国顧客特有のニーズにきめ細かく対応できるようにする狙いだ。まずは15人体制で立ち上げ、コネクテッドカー、自動運転、デジタルサービスなどのテーマに取り組む。

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