ランクセス―米IFFの微生物防除事業を買収―

化学大手の独ランクセスは8月24日、米香料大手インターナショナル・フレバー・アンド・フレグランス(IFF)から微生物防除事業を取得することで合意したと発表した。収益力が高く、用途と販売地域の裾野が広い製品分野で事業を強化する方針に基づく措置。買収は今年4件目となる。

IFFの微生物防除事業を約13億ドル(11億ユーロ)で買収する。買収額は同社史上で2番目の高水準。独禁当局の承認を経て取引が来年4-6月期に完了すると見込んでいる。

IFFの微生物防除事業では微生物防除の作用物質や保護材料、防腐剤、消毒剤を製造。製品はパーソナルケア、家庭用品、産業用水処理、染料・塗料など幅広い分野に投入される。米ルイジアナ州セントチャールズとウエストバージニア州インスティテュートに工場を持つ。従業員数は約270人。売上高は約4億5,000万ドルで、営業利益(EBITDA)およそ1億ドルを計上している。

ランクセスはシナジー効果で買収後4年以内に自社のEBITDAが約3,500万ドル(3,000万ユーロ)押し上げられると予想している。

同社は今年、家禽向け消毒・衛生製品や食品添加剤分野の製品を手がける仏テセオ・グループと、包装材産業向け特殊抗菌剤などを製造する仏INTACE、保存剤、香料、飼料向け製品を手がける米エメラルド・カラマ・ケミカルの3社を買収している。

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