ドイツ連邦陸運局(KBA)が3日発表した8月の乗用車新車登録台数は前年同月比23.0%減の19万3,307台へと後退し、2カ月連続で2ケタ減となった。半導体不足でメーカー各社が生産調整を余儀なくされていることが響いた。1~8月の累計は182万589台で、前年同期を2.5%上回ったものの、コロナ禍前の2019年同期(249万5,536台)に比べると27.0%少ない。
8月の新車登録を動力源別でみると、環境対応車は2ケタ台の伸びを確保した。購入補助金の対象となる電気自動車(EV)は前年同月比79.5%増の2万8,860台、プラグインハイブリッド車(PHV)は同43.3%増の2万4,497台。PHVを含むハイブリッド車(HV)全体では31.5%増の6万720台だった。シェアはEVで14.9%、PHVで12.7%、HV全体で31.4%に達しており、EVとHVの合計は46.3%に上った。
ガソリン車の新車登録台数は41.8%減の6万8,598台と大幅に落ち込み、シェアは前年同月の47.0%から35.5%へと低下した。ディーゼル車は50.8%減の3万4,171台と半減。シェアは27.7%から17.7%へと落ち込んだ。
走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は平均114.6グラムで、前年同月から18.2%減少した。純粋な内燃機関車が激減し、環境対応車が大幅に増えたことが反映されている。
新車登録が増えた部門は前月に引き続き超小型車(18.0%増)だけで、大型バンは48.5%減、ユーティリティーズ(ハイルーフコンビ、マイクロバス、ピックアップ)は44.9%減、中大型車は43.1%減、ミニバンは42.5%減と特に大きく落ち込んだ。登録台数の上位3部門をみると、トップのSUVは8.4%減と減少幅が全体の平均より小さく、シェアは27.2%に達した。2位のコンパクトカーは30.1%減でシェアが18.6%、3位の小型車は33.5減でシェアが13.4%だった。
新車登録が増えた主要ブランドはスズキ(37.2%増の2,562台)、テスラ(33.9%増の3,810台)、マツダ(19.3%増の3,776台)、オペル(7.9%増の1万245台)、双竜(0.5%増の184台)だけだった。
オペル以外のドイツ車をみると、アウディが12.4%減の1万4,375台、VWが17.4%減の3万6,223台、BMWが25.1%減の1万6,137台、ポルシェが25.2%減の1,281台、スマートが40.8%減の816台、ミニが41.6%減の2,375台、フォードが45.8%減の9,091台、メルセデスが50.0%減の1万3,945台とすべて2ケタ減となった。
日本車はトヨタ(0.8%減の7,114台)と三菱(2.8%減の3,389台)で減少幅が小さかった。レクサスは11.8%減の232台、スバルは28.8%減の309台、ホンダは36.2%減の676台、日産は46.2%減の1,590台だった。
日本車以外の主な輸入ブランドは起亜が2.2%減の6,046台、現代が8.1%減の1万79台、フィアットが9.9%減の6,872台、アルファロメオが10.3%減の235台、ランドローバーが13.8%減の604台、ボルボが14.2%減の2,292台、セアトが18.7%減の8,872台、ジャガーが19.5%減の240台、ダチアが25.5%減の3,195台、ポールスターが28.0%減の172台、シトロエンが29.7%減の2,925台、ルノーが33.2%減の7,642台、プジョーが38.5%減の2,921台、シュコダが38.7%減の9,618台、DSが57.4%減の104台、ジープが59.1%減の817台。現代は市場シェアが5.2%に達し、シュコダ(同5.0%)を抜いて輸入車トップに躍り出た。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した8月の乗用車国内生産台数は13万3,600台となり、前年同月を32%下回った。半導体不足が響いた格好で、輸出台数も33%減の10万7,700台へと落ち込んだ。1~8月は生産台数が前年同期比5%増の211万4,300台、輸出台数が7%増の161万6,600台だった。