日本がEUのコロナ「安全国」リストから除外

欧州連合(EU)は9日、新型コロナウイルス感染拡大を受けて実施している域外からの渡航制限について、観光客など不要不急の渡航者を受け入れる国・地域のリストから日本など6カ国を除外すると発表した。日本は6月にリスト対象国に再指定されたが、新規感染者が増えているため外された。

リストから除外されたのは日本とアルバニア、アルメニア、アゼルバイジャン、ブルネイ、セルビア。同リストには新たにウクライナが指定されたが、対象国はオーストラリア、ニュージーランド、カナダ、シンガポール、韓国など13カ国に減った。

EUはコロナ禍で大打撃を受けた観光業の復興を進めるため、2020年7月から感染状況が落ち着いている国を「安全な国」と認定し、ワクチン接種の有無にかかわらず観光目的でも入域できるようにしている。

安全な国のリストは新規感染者数などをもとに、2週間ごとに見直すことになっている。

日本は当初、リストの対象国だったが、1月に除外され、6月に再指定されていた。過去14日間の人口10万人当たりの新規感染者数が75人以下という認定基準を満たすことができなかった。

EUの渡航制限勧告には法的拘束力はなく、実際の運用は加盟国の判断に委ねられる。このため、ドイツはEUの決定に先立つ5日から、日本からの渡航を厳しく制限している。一方、EUは5月から域外からの観光客をワクチン接種を条件に受け入れており、日本の観光客もワクチンを接種していればEUに渡航することができる。ただ、国によって到着時のPCR検査、一定期間の隔離といった条件が付く可能性がある。

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