8月のインフレ率、93年以来の高水準に

ドイツ連邦統計局が10日に発表した8月の消費者物価統計の詳細によると、前年同月比のインフレ率は3.9%となり、1993年12月以来の高水準に達した。昨年はコロナ禍対策で7~12月の半年間、付加価値税率が引き下げられており、その反動が強く出た格好だ。上げ幅はエネルギーと非耐久消費財で特に大きかった。

エネルギーは12.6%上昇し、上げ幅は前月の同11.6%を上回った。世界経済の回復で原油価格が上昇しているうえ、今年1月に運輸と建築物部門でカーボンプライシング制度が始まったことが上昇に拍車をかけている。これまでに引き続き石油製品が全体を強く押し上げており、灯油は上げ幅が57.3%、自動車燃料は同26.7%に達した。天然ガスは4.9%、電力は1.7%だった。エネルギーを除いたインフレ率は3.0%だった。

食料品の上げ幅は前月の4.3%から4.6へと拡大した。野菜が9.0%、乳製品・卵が5.0%上昇している。エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は2.8%だった。

他の分野の物品では車両が5.5%、家具・照明が4.0%、衣料品・靴が3.5%上昇。テレビは0.7%下がった。

物価に占める比重が53%に上るサービスは2.5%増となり、上げ幅は前月の2.2%を上回った。自動車整備・修理が5.1%、飲食・宿泊が3.5%上昇した。

前月比のインフレ率は0%だった。エネルギーが0.4%、非耐久消費財が0.1%上昇。サービスは横ばいだった。

欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が3.4%、前月比が0.1%となっている。

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