ノルド・ストリーム2完工、来月にも稼働か

ロシア国営ガスプロムは10日、同国とドイツを結ぶバルト海底天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」の敷設工事が完了したと発表した。ドイツ当局の許可を経て、来月の稼働を見込む。

ノルド・ストリーム2は2018年に敷設作業が始まった。しかし、米国やウクライナなどの東欧諸国が「天然ガス調達における欧州の対ロ依存が強まる」として強く反対したために計画が遅延。当初予定より1年8カ月遅れての完工となった。全長1,230キロの送ガス管2本を擁し、稼働すれば年550億立方メートルのロシア産天然ガスが欧州に供給される見通し。

ノルド・ストリームはガスプロムと独ユニパー、ヴィンタースハルDEA、仏エンジー、墺OMV、英蘭系シェルの合弁事業だ。総工費100億ユーロ強の半分はガスプロムが、残りの半分は欧州5社が負担した。

ロシアにとって欧州は資源取引の最得意先だ。しかし、供給経由地であるウクライナとの関係が悪化したため、同国を迂回する輸出ルートを整備してきた。12年開通のノルド・ストリーム1と、今回完工したノルド・ストリーム2はこの戦略の一環として建設された。

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