9月の乗用車新車登録26%減少、スズキとレクサスは2ケタ増に

ドイツ連邦陸運局(KBA)が5日発表した9月の乗用車新車登録台数は前年同月比22.7%減の19万6,972台へと後退し、3カ月連続で2ケタ減となった。これまでに引き続き半導体不足でメーカー各社が生産調整を余儀なくされていることが響いた。1~9月は前年同期比1.2%減の201万7,561台で、1月からの累計が減少へと転じた。コロナ禍前の2019年同期(274万158台)に比べると26.4%少ない。

9月の新車登録を動力源別でみると、環境対応車は2ケタ台の伸びを確保した。購入補助金の対象となる電気自動車(EV)は前年同月比58.8%増の3万3,655台、プラグインハイブリッド車(PHV)は同13.5%増の2万2,842台。PHVを含むハイブリッド車(HV)全体では11.3%増の6万159台だった。シェアはEVで17.1%、PHVで13.5%、HV全体で30.5%に達しており、EVとHVの合計は47.6%に上った。

内燃機関車は振るわず、減少幅はガソリン車で41.4%、ディーゼル車で53.9%に達した。シェアはそれぞれ前年同月の45.5%から35.9%、25.6%から15.9%へと落ち込んだ。ディーゼル車はEVとHVをともに下回っている。

走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は平均111.6グラムで、前年同月から16.9%減少した。純粋な内燃機関車が激減し、環境対応車が大幅に増えたことが反映されている。

新車登録が増えた部門は大型車(19.5%増)だけで、そのほかはすべて減少した。減少幅はミニバン(57.5%減)と中大型車(53.0%)で50%を超え、コンパクトカーも38.8%に上った。登録台数上位3部門のシェアをみると、トップのSUVは27.1%、2位のコンパクトカーは17.3%、3位の小型車は16.1%だった。

新車登録が増加したのは環境対応車に注力するブランドで、テスラは157.8%増の7,903台、ポールスターは108.7%増の311台と3ケタ台の伸びを記録。DS(73.8%増の179台)、スズキ(50.0%増の4,299台)、スマート(23.0%増の2,043台)、レクサス(20.1%増の400台)も好調だった。

スマート以外のドイツ車ではポルシェが3.9%増の2,095台へと拡大した。そのほかはオペルが1.2%減の1万3,222台、BMWが18.7%減の1万6,487台、VWが23.3%減の3万1,002台、アウディが38.9%減の9,934台、ミニが45.0%減の2,623台、メルセデスが49.8%減の1万3,734台、フォードが51.3%減の9,104台だった。

スズキ以外の日本車では三菱(2.1%増の3,593台)が増加。トヨタ(5.2%減の7,394台)、マツダ(7.6%減の4,417台)、ホンダ(20.6%減の955台)、スバル(38.3%減の409台)、日産(41.4%減の2,127台)は減少した。

日本車以外の主な輸入ブランドは双竜が12.7%増の160台、起亜が8.5%減の6,315台、現代が11.8%減の1万359台、ボルボが13.4%減の3,269台、ダチアが20.5%減の2,978台、フィアットが31.3%減の6,205台、ランドローバーが32.7%減の696台、セアトが33.0%減の7,846台、ルノーが33.3%減の8,082台、シトロエンが38.3%減の2,783台、ジープが41.2%減の1,052台、シュコダが47.5%減の9,536台、アルファロメオが48.8%減の214台、プジョーが49.2%減の2,668台、ジャガーが60.7%減の209台だった。

一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した9月の乗用車国内生産台数は20万8,700台となり、前年同月を44%下回った。半導体不足が響いた格好で、輸出台数も43%減の15万4,400台へと落ち込んだ。1~9月は生産台数が前年同期比3%減の231万2,900台、輸出台数が1%減の176万6,100台だった。

上部へスクロール