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2021/10/13

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ヴォノヴィア―同業ドイチェ・ヴォーネンのTOBに成功―

この記事の要約

独賃貸住宅最大手のヴォノヴィアは7日、同2位のドイチェ・ヴォーネンに対する友好的な株式公開買い付け(TOB)で過半数株を確保した発表した。独カルテル庁は6月時点で買収計画を承認しており、ドイチェ・ヴォーネンはヴォノヴィア […]

独賃貸住宅最大手のヴォノヴィアは7日、同2位のドイチェ・ヴォーネンに対する友好的な株式公開買い付け(TOB)で過半数株を確保した発表した。独カルテル庁は6月時点で買収計画を承認しており、ドイチェ・ヴォーネンはヴォノヴィアの子会社となる。

ヴォノヴィアは4日を期限にドイチェ・ヴォーネンへのTOBを実施した。すでに保有する株式を含めると、出資比率は60.3%へと上昇することになる。同社はTOBを21日まで延長したため、出資比率は一段と高まる可能性がある。

ヴォノヴィアは6月から7月にかけてドイチェ・ヴォーネンへの友好的なTOB実施したが、ヘッジファンドなどの投機筋がドイチェ・ヴォーネン株を買い漁ったほか、保有株を簡単には手放すことができないインデックスファンドがTOBに応じなかったことから、TOBの成立条件(50%超の株式確保)を満たせず、失敗した。

同社はこれを受け8月、成立条件を設定せずにTOBを再実施した。買い取り価格を1ユーロ増の53ユーロに引き上げたこともあり、前回を大幅に上回る株式を確保した。

今回の買収によりヴォノヴィアは保有住宅数が50万戸強、保有不動産の時価が計800億ユーロ強となり、欧州最大の不動産会社となる。買収後は規模の効果やプラットホームの統合を通して資金力を高め、住宅の温暖化対策といった課題に取り組む意向だ。買収のシナジー効果は年1億500万ユーロを見込む。

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