ソーラーパネルのリース事業を手がける独スタートアップ企業エンパルが、ソフトバンクグループなどが出資するソフトバンク・ビジョン・ファンド2(SVF2)から1億5,000万ユーロの出資を受ける。評価額は11億ドル(9億5,000万ユーロ)となっており、同社はユニコーンの仲間入りを果たす。エンパルのマリオ・コーレ最高経営責任者(CEO)への取材などをもとに複数の独メディアが報じた。
エンパルはベルリンに本社を置く2017年設立の企業。ソーラーパネルを購入して一般世帯にリースしている。顧客は電力料金程度のリース料を毎月支払い、20年の経過後にリース物件を1ユーロで購入できる。これまでに1万世帯の顧客を獲得した。
コーレCEOによると、ドイツの一世帯住宅およそ1,600万軒のうち1,450万軒にはソーラーパネルが設置されていない。設置やメンテナンスなどで面倒が多いことが普及のネックとなっている。同社はこれを踏まえ設置、メンテナンス、保険契約など面倒な手続きをすべて引き受け、顧客に負担がかからないようにした。2030年までに国内顧客数を現在の1万世帯から100万世帯に拡大する目標だ。
ソーラーパネルの調達資金は銀行などからの融資で賄っている。これまでに計4億9,500万ユーロを借り入れた。返済には顧客が毎月支払う料金を当てている。料金収入は20年間、安定的に入ることから、事業の安定性は高い。
同社は7月にも複数の投資家から総額1億ユーロの資金を調達した。SVF2も含めると投資家から獲得した資金は計2億8,000万ユーロに上る。SVF2からの資金はIoTプラットホームの強化と事業の加速に投じる考えだ。ドイツで蓄積したノウハウを活用して国外へと進出することも視野に入れている。