ヴェガンツ―ビーガン食品の生産拡大に向けIPO―

ビーガン食品製造の独スタートアップ企業ヴェガンツは13日、新規株式公開(IPO)計画を発表した。市場資金で生産を拡大する意向で、フランクフルト証券取引所に上場する。ビーガン食品のニーズが増えていることを追い風にする考えだ。

同社はベルリンに本社を置く2011年設立の企業。当初はビーガン食のスーパーマーケットとしてスタートしたがその後、製造分野へと進出。現在は約120種類の製品を生産し、食品小売大手のエデカ、レーヴェ、アルディ、リドルなどに販売している。

IPOでは新株を発行し、約5,000万ユーロを調達する。市場資金で欧州最大のビーガンチーズ工場を建設する意向だ。同チーズは牛乳などを原料とする本来のチーズに比べ味が落ち、現時点で人気は低いものの、同社は将来性が高いと予想。市場規模でビーガンソーセージを抜くポテンシャルがあるとみている。

コロナ禍はビーガン食品市場の拡大を加速させている。ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の関係者は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、栄養について考える人がパンデミックの経験で増えたと指摘した。植物性タンパク質製品のニーズは急速に増えているという。

オーツ麦を原料とする飲料を製造するスウェーデン企業オートリーは5月、米ナスダックに上場し、時価総額は120億ドルに達した。植物肉の米ビヨンド・ミートも株価が大きく上昇している。金融サービス会社CMCマーケッツのアナリストはヴェガンツについて、「あまりグラマーではないが、その代わり堅実なドイツの顧客グループを持っている」と評価した。

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