中国資本の独ハーン空港が経営破綻

西南ドイツのフランクフルト・ハーン空港の運営会社が会社更生手続きの適用をバート・クロイツナハ区裁判所に申請したことが19日、明らかになった。経済誌『ヴィルトシャフツボッヘ』が報じ、同社役員が追認した。空港と同名の運営会社は中国の複合企業である海航集団(HNAグループ)の子会社。HNAは1月に経営破綻し、現在は再建に取り組んでいる。

ハーン空港はもともと米軍基地だったが、米軍の撤退後に民生用に転換され、1993年に営業を開始した。フランクフルト国際空港の西およそ110キロの田園地帯にある。

同空港の運営会社は2009年、地元ラインラント・ファルツ州(RP)と隣接するヘッセン州の合弁となった。出資比率はRP が82.5%、ヘッセンが17.5%。

同空港は主にアイルランドの格安航空ライアンエアーが利用してきた。だが、ライアンエアーが周辺空港に機材を大幅に移管したことで経営が悪化。RPはこれを受け17年、同空港運営会社の持分をすべてHNAに売却した。

ハーン空港はその後も経営不振が続いていた。最近はネット通販ブームとコロナ禍からの回復に伴う物流需要の急増で貨物機の利用が増えているものの、経営は依然として赤字だ。

HNAの陳峰会長と譚向東最高経営責任者(CEO)は9月下旬、中国の警察に身柄を拘束された。ハーン空港運営会社はその際、同空港に影響は出ないとの見方を示していた。

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