ノバルティス―後発薬事業から撤退も―

スイス製薬大手のノバルティスは26日、後発医薬品部門サンドについて戦略的措置を検討すると発表した。サンドは業績が振るわず、同社はこれまで再建に取り組んできた。ヴァサント・ナラシンハン最高経営責任者(CEO)は、「今こそサンドの長期の戦略的なポジショニングは何かを検討する適切な時期だ」と明言した。手元に残すことのほか、売却や新規株式公開(IPO)など分離することも検討する。来年末までに結論を出す意向だ。

サンドはイスラエルのテバ、米ヴィアトリスとともに後発医薬品3大メーカーの一角を形成。傘下に独ヘクサールなどを持つ。売上高は約100億ドルで、ノバルティス全体のおよそ20%を占める。ただ、収益力は低く、ノバルティスの足かせになっている。

背景には後発薬市場の競争が厳しいことがある。特に最大市場の米国では値下げ圧力が高い。業界ではすでに再編の動きが活発化している。

サンドを大手同業に売却することは難しい。独禁法上の規制に抵触する懸念が強いためだ。IPOも後発薬メーカーの市場評価が低いことから公開益は低水準にとどまる見通し。このため、分離する場合は投資会社への売却が有力とみられている。

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