化学大手の独BASFは25日、中国電池大手の蜂巣能源科技(SVOLT)と協業合意したと発表した。電池正極材の開発と、SVOLT製電池セルのリサイクルで協力する。また、原料の共同調達を検討する。BASFはSVOLTの競合である寧徳時代新能源科技(CATL)とも正極材と電池リサイクルの分野で9月に協業合意しており、中国の協働先を拡大することになる。
BASFは正極材の世界最大手メーカー。原料であるニッケル、マンガンの混合比率が高い正極材や、希少金属のコバルトを含まない正極材など幅広い製品ポートフォリオを持つ。SVOLTにはオーダーメイドの高性能正極材を供給していく。
SVOLTは2018年設立の新興企業。現時点で市場シェアは小さいものの、コバルトを使わないニッケルマンガンバッテリーセル(NMX)の受注を1月に開始するなど高い技術力を持つ。昨年11月にはドイツ工場の建設計画を発表しており、CATLに次いで同国に進出する中国2社目の電池メーカーとなる見通しだ。研究開発拠点は中国に4カ所、日本、韓国、インドに各1カ所ある。