独自動車工業会(VDA)は10月28日、持続可能なサプライチェーンの実現に向け自動車メーカーやサプライヤーとともに新団体を設立したと発表した。クルトクリスティアン・シェール事務局長は「企業には環境と人間に対し責任がある。世界のあらゆる場所で」と述べ、自動車業界のサプライチェーンで人権侵害や環境破壊が起きないようにすることに意欲を示した。
「責任あるサプライチェーン・イニシアチブ(RSCI)」という団体を設立した。自動車大手フォルクスワーゲン(VW)、アウディ、ポルシェ、BMW、ダイムラーや、サプライヤー大手ボッシュ、シェフラーなどVDAを含む計15社・団体が参加している。
RSCIではサプライチェーンで持続可能性原則がどの程度、順守されているかを評価する標準を開発し、それに基づいて監査を行う。労働条件の透明性確保を重視しており、生産現場への立ち入り調査も実施する。顧客・ステークホルダーの要求や様々な国の法令に企業が対応できるようにするための支援も行う。
監査結果は関連企業が共有できるようにする。これにより個々の企業などが監査を行うことで発生する重複を回避する。加盟企業は来年初頭にもパイロット監査手続きを開始する予定だ。
RSCIにはVDAの非会員企業も加盟できる。