自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は3日、環境や温暖化防止分野で投資活動などを手がけるEITイノエナジーと戦略パートナーシップを締結すると発表した。車両の電動化など脱炭素化に役立つ技術を持つ企業を効率的に見つけ出し、新しい技術や事業モデルの開発・実現につなげる狙いだ。EITイノエナジーへの出資も行う。
EITイノエナジーは産業競争力の強化に向け欧州連合(EU)が2010年に設立した欧州工科大学院(EIT)の支援を受ける企業。脱炭素化に関係する約300社に出資している。
VWは同社と5年以上に渡って協業してきた。両社は電池産業の育成に向けて欧州委員会が17年に立ち上げた「欧州電池アライアンス」に関与。また、グリーン製鉄のスタートアップ企業であるH2グリーンスチール(H2GS)と電池スタートアップ企業ノースボルトに出資している。
EITイノエナジーのディエゴ・パヴィア最高経営責任者(CEO)は「エネルギー転換の全領域を網羅する約300社に上るわが社の出資先企業から判断すると、フォルクスワーゲンと共同で輸送セクターの脱炭素化を加速することが持つポテンシャルは巨大だ」と述べた。