ドイツ南部のバイエルン州と東部のザクセン州がロックダウンを導入した。両州は新型コロナウイルスの新規感染者数が特に多く、州政府は踏み込んだ規制が必要と判断。州内全域でクリスマス市を禁止したほか、爆発的な感染拡大の最大の原因となっているワクチン非接種者の行動の自由を制限した。
ザクセン州は22日付でコロナ規制を大幅に強化した。クリスマス市のほか、すべての文化・余暇施設、ディスコ、バーを閉鎖。ブンデスリーガなどプロスポーツの試合は無観客で行われる。飲食店は営業時間が6~20時に制限されている。
小売店も営業時間が6~20時に制限された。また、食料品店や薬局など当座の生活に最低限必要な商品を取り扱う店舗を除き「2G」ルールが適用され、新型コロナの抗体を持たない非接種者は入店できなくなった。顧客に至近距離で提供するサービスも美容・理容院を除き禁止。美容・理容院には2Gが適用されている。
観光客はバス・電車で州内に入ることもホテル・貸別荘を利用することも禁止された。出張であれば入域と宿泊が認められている。
出社しなくても仕事ができる被用者は在宅勤務が義務付けられる。公共交通機関を利用する際はFFP2マスクを着用しなければならず、医療用マスク(OPマスク)は認められない。
非接種者には2Gルール以外でも大きな制約が課され、同一世帯の家族に他家の1人を加えたメンバーが接触可能な人数の上限となった。また、人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数(7日間の感染数)が1,000人超のホットスポットでは夜間外出(22~6時)が制限されている。
新規制の期限は差し当たり12月12日まで。
バイエルン州では23日から新規制が導入された。飲食店の営業時間は22時までとなり、ディスコ、クラブ、バーは営業が禁止。小売店の入店者数は10平方メートル当たり1人が上限となった。非接種者は美容・理容院を利用できないほか、接触可能な人数が2家族の計5人までに制限されている。
7日間の発生数が800人超のホットスポットでは飲食店とホテルの営業、スポーツ・文化イベントが禁止。小売店の入店者数は20平方メートル当たり1人が上限となった。
同国では感染防止法改正案が19日までに議会で可決された。同法が施行される24日からはロックダウンが実施できなくなるが、それまでに導入されたロックダウンは例外的に12月15日まで有効なことから、両州はこのルールに基づいてロックダウンに踏み切った。