欧州で新型コロナウイルスの感染再拡大に歯止めがかからず、ドイツ以外の国でも規制が再強化されている。オーストリアでは22日、4度目となる全国的なロックダウン(都市封鎖)に入った。通勤や生活必需品の買い出しなどを除き、原則として外出が禁止されている。10日後に状況を確認し、同措置を継続するかどうか判断する。
同国では新規感染者数が過去最多の1万3,000人前後で推移している。今月15日からワクチン接種の未完了者を対象に外出制限を導入していたが、感染拡大に歯止めがかからないため、全住民を対象とする制限措置に踏み切った。
来年2月1日からはワクチン接種を義務化する方針だ。同国ではワクチン接種を完了した人の割合が人口の約64%と、欧州連合(EU)平均をやや下回っている。欧州ではフランスなどが医療従事者にワクチン接種を義務づけているが、一般市民を対象とした義務化は同国が初めて。シャレンベルク首相は記者会見で「義務化しなくても高い接種率を達成できると考えていたが、うまくいかなかった。現実を直視する必要がある」と述べ、国民に理解を求めた。
ベルギー政府は17日、ワクチン接種を完了した全ての人に追加接種を行うと発表した。同国ではすでに人口の75%が接種を完了しているが、感染が再拡大している。このため新たに週4日の在宅勤務を義務化し、マスクの着用義務も拡大する。
これまでにアイルランドやオランダでも、レストランやパブなどの営業時間を短縮する措置が導入された。18日にはチェコとスロバキアがワクチン接種未完了者に対する行動制限を導入する方針を打ち出した。