化学大手の独BASFは22日、仏工業ガス大手エア・リキードと共同実施する二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)プロジェクトが欧州連合(EU)の欧州委員会からイノベーション基金の支援対象に選定されたと発表した。炭素中立目標の実現に向け同プロジェクトを実施する。
両社は「カイロス@C」という名のCCSプロジェクトをベルギーのアントワープ港で実施する。同プロジェクトはアントワープ港のCO2排出量を2030年までに半減することを目指すプロジェクト「アントワープ@C」と連動。同港で発生するCO2を分離・液体化し、北海に貯留する。25年から開始し、当初の10年間で計1420万トンのCO2を貯留する計画だ。カイロスは「チャンス」を意味するギリシャ神話の男神。
BASFは50年までの炭素中立実現を目指している。まずは30年までにCO2排出量を18年比で25%削減する目標だ。