クーカ―中国の美的集団がスクイーズアウト―

産業ロボット大手の独クーカは23日、親会社である中国の美的集団がスクイーズアウトを実施し、同社を完全子会社化すると発表した。クーカは声明で、美的集団による買収後クーカは市場での資金調達を行っていないと指摘。上場を続ける意味がないことから、美的集団はスクイーズアウトを行い、クーカの上場を廃止すると説明した。

来年5月の株式総会で、他の株主から強制的に株式を買い上げるスクイーズアウトを決議する。美的集団はクーカ株を95%超、保有していることから、スクイーズアウトが実施されることは確実。現在フランクフルトとミュンヘンの証券取引所で行われているクーカ株の取引きは終了することになる。

クーカによると、美的集団は少なくとも2025年まで独南部のアウグスブルクにあるクーカの工場を存続させるほか、同地を中心的な研究開発拠点にとどめることを確約した。対クーカの研究開発投資は25年まで最低でも年15%のスピードで増やしていく意向だ。

美的集団はクーカを16年に買収した。独・欧州ではこれをきっかけに、中国企業によるハイテク企業買収への警戒感が急速に高まった経緯がある。

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