鉄鋼系複合企業の独ティッセンクルップが18日発表した2021年9月通期決算(継続事業ベース)の営業損益(EBIT、調整済み)7億9,600万ユーロの黒字となり、前期の赤字(17億5,900万ユーロ)から大幅に改善した。コロナ禍からの景気回復のほか、抜本的な事業再建が奏功。株主帰属の純損益は1億900万ユーロの赤字となったものの、赤字幅は前期の55億4,700万ユーロから大きく縮小した。マルティーナ・メルツ社長は「2年強に渡る変革を経て断言できる。転換は見てとれるようになった。ティッセンクルップは正しい方向に進んでいる」と強調した。
売上高は18%増の340億1,500万ユーロ、新規受注高は41%増の395億7,100万ユーロとともに2ケタ台の伸びとなった。
営業損益はすべての部門で改善した。販売量が増えたうえ、原材料不足と需要増を背景に製品価格を引き上げたことが大きい。鉄鋼部門は8億2,000万ユーロの赤字から1億1,000万ユーロの黒字へと転換。自動車部品部門も1億6,600万ユーロの赤字から2億6,400万ユーロの黒字へと好転した。
22年9月期は最低10億ユーロの純利益計上を見込んでいる。08年9月期以来の高水準だ。