連邦統計局のデータをもとにドイツ機械工業連盟(VDMA)が18日発表した第3四半期(7~9月)の機械輸出高は446億ユーロ(暫定値)となり、前年同期を8.8%上回った。コロナ禍からの回復が順調に進んでおり、1-9月期は前年同期比10.8%増の1,332億ユーロを記録。VDMAのチーフエコノミストはコロナ禍前の2019年の水準をほぼ回復したと述べた。
第3四半期の欧州連合(EU)向けの輸出高は5.8%増えた。イタリアが17.3%増、オランダが11.3%増と2ケタ台の伸びを記録。フランスは1.7%減と振るわなかった。EUを離脱した英国は38.7%増と急拡大し、輸出先ランキングで前年同期の8位から5位に浮上した。米国も18%増と好調だった。
中国は3%増と小幅な伸びにとどまった。チーフエコノミストは同国の主要顧客産業である自動車、建設の景気が低迷していることを指摘。対中輸出が勢いを取り戻すことは差し当たりないとの見方を示した。
1-9月期の輸出を製品分野別でみると、伸び率が最も大きかったのは繊維機械で、28.2%に達した。コロナ禍で縮小していた繊維業界の生産が再び活発化。これに伴い設備の近代化・自動化投資が増えている。受注では日本からの伸びが大きいという。
マイクロエレクトロニクス製造装置の輸出も23.9%増加した。半導体メーカーが生産能力の拡大に取り組んでいる。
農機の輸出は21.8%増となり、伸び率で上から3番目となった。米国の更新需要が全体をけん引したという。
ドイツの機械輸入高は7-9月期が11.0%増の189億ユーロ、1-9月期が12.4%増の584億ユーロだった。