ドイツ連邦統計局が11月29日発表した同月の消費者物価統計(速報値)によると、前年同月比のインフレ率は5.2%となり、1992年6月以来29年ぶりの高水準に達した。コロナ禍に伴う昨年のエネルギー価格下落や付加価値税率引き下げの反動、今年初の炭素税導入、世界的に進むエネルギーと中間財の価格高騰が川下レベルの物価にも波及していることなど、複合的な要因で物価が強く押し上げられた。すでに極めて高い水準だった前月(4.5%)を0.7ポイントも上回っている。
エネルギー価格の上昇率は22.1%となり、前月の同18.6%から一段と拡大した。食料品も0.1ポイント増の4.5%に膨らんでいる。物価に占める比重が53%に上るサービスは0.4ポイント増の2.8%となった。
消費者物価は前月比では0.2%低下した。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比で6.0%に達した。前月比も0.3%に上っている。