自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)グループは9日、電動車とデジタル化に2022~26年の5年間で計890億ユーロを投資すると発表した。総投資額(1,590億ユーロ)の実に56%強を占める計算。同比率は前5カ年計画(21~25年)に比べ6ポイント上昇しており、VWは今後の競争でカギを握る分野への投資を一段と加速する意向だ。
電気自動車(EV)には520億ユーロを投資する。これは前計画を約50%上回る水準。グループ販売台数に占めるEVの割合を現在の5~6%から26年には約25%へと引き上げる計画だ。ハイブリッド車への投資は約30%減の80億ユーロへと引き下げる。
デジタル化投資は前計画比10%増の30億ユーロに拡大する。世界のモビリティ市場に占めるソフトウエアベースのサービスの割合が2030年には約30%に拡大すると見込まれることから、製品・サービスのデジタル化を加速。成長するニーズを積極的に取り込む意向だ。
売上高営業利益率は今年の6~7.5%(見通し)から8~9%へと引き上げる。設備・研究開発投資の対車両売上比率は約11%に引き下げる目標。
同社はまた、電池事業の開発・計画・生産管理を統括する新会社の設立も決定した。欧州電池事業の中核拠点である独ザルツギターに開設する。新会社には将来的に外部の企業が出資することを視野に入れている。