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2021/12/15

企業情報

バルカン・エナジー―独で地熱発電所を買収、リチウム生産に向け―

この記事の要約

リチウム生産の豪バルカン・エナジー・リソーシズは9日、西南ドイツのエネルギー事業者ファルツヴェルケから地熱発電子会社ファルツヴェルケ・ジオフューチャーを完全買収すると発表した。地熱発電所を利用して電池材料である水酸化リチ […]

リチウム生産の豪バルカン・エナジー・リソーシズは9日、西南ドイツのエネルギー事業者ファルツヴェルケから地熱発電子会社ファルツヴェルケ・ジオフューチャーを完全買収すると発表した。地熱発電所を利用して電池材料である水酸化リチウムの精製プロジェクトを実施する。取引金額は3,150万ユーロ。

ファルツヴェルケ・ジオフューチャーはカールスルーエの北西およそ30キロのインスハイムで地熱発電所を運営している。バルカン・エナジーは同発電所の敷地内にパイロット施設を設置し、地熱発電のためにくみ上げる地下温水から水酸化リチウムを取り出す計画。ファルツヴェルケ・ジオフューチャーの社名を来年1月1日付でナチュアリッヒ・インスハイムへと改める。

バルカン・エナジーは車載電池用の水酸化リチウムを欧州自動車大手のルノー、ステランティス、フォルクスワーゲン(VW)などに供給することですでに合意しており、2024年の商業生産開始を目指している。まずは年1万5,000トンを生産。25年には4万トンへと拡大する。フランクフルト西部のヘキスト工業団地を水酸化リチウム量産の拠点とする意向だ。