川崎重工業は9日、独エネルギー大手RWEと共同で水素を用いたガスタービンの発電実証運転を行う計画を発表した。2024年から実施する意向で、すでに詳細協議を開始している。
ドイツ北部のニーダーザクセン州でRWEが運営するエムスラント水素パークおよび天然ガス発電所内に、川重が開発した水素燃料対応の30メガワット(MW)級ガスタービン「L30A」を用いたコージェネレーションシステムを設置する。ウェット方式の拡散燃焼器による水素と天然ガスの混焼および100%水素燃料の発電実証運転を24 年に開始。運転データの収集と運用特性の確認を行う計画だ。30MW級ガスタービンでもっぱら水素燃料を用いて発電するのは世界初という。
実証試験には再生可能エネルギーで製造する「グリーン水素」を用いる。RWEが保有する約2ギガワット(GW)の風力発電施設から供給される電力を使って水を電気分解。二酸化炭素(CO2)フリーの水素を作る。
両社は将来的に、川重が開発中のマイクロミックス燃焼技術を適用したドライ方式燃焼器による水素燃料100%の発電実証試験を行うことも検討している。