21年のメルセデス販売5%減少、BMWに抜かれ高級車1位から6年ぶり転落

高級車大手メルセデスベンツが7日発表した「メルセデスベンツ」ブランド乗用車の2021年販売台数は前年比5.0%減の205万4,962台へと落ち込んだ。競合BMWは主力ブランド「BMW」の販売が大幅に増え220万台を超えたことをdpa通信に明らかにしており、「メルセデス」は高級乗用車世界1位から6年ぶりに転落したことになる。

半導体不足の深刻度が「メルセデス」とBMWの明暗を分けた。BMWも半導体不足の影響を受け下半期は失速したものの、21年全体では前年実績(202万8,659台)を大きく上回った。

メルセデス社の超小型乗用車ブランド「スマート」の販売台数は0.3%増えて3万8,514台となった。同ブランドと「メルセデス」を合わせた同社の乗用車販売総数は5.0%減の209万3,476台。乗用車とバン(メルセデスベンツVANs)の合計は4.0%減の242万7,686台だった。

「メルセデス」乗用車の電動車(電気自動車=EVとプラグインハイブリッド車=PHV)販売は好調で、69.3%増え過去最高の22万7,458台に達した。「メルセデスEQ」ブランドのEVは154.8%増の4万8,936台と3ケタ台の伸びを記録した。

「メルセデス」乗用車の販売実績を地域別でみると、足元の欧州が11.2%減の69万6,136台と振るわなかった。特に同地最大の市場であるドイツは25.5%減と減少幅が大きい。アジア太平洋は1.6%減の100万9,763台。世界最大の中国は2.0%減の75万8,863台で、世界販売に占める割合は前年の35.8%から36.9%へと拡大した。北米販売は0.3%増の31万8,456台で、米国は0.4%増の27万6,102台だった。

欧州(欧州連合=EUとノルウェー、アイスランド)の排ガス規制については昨年に引き続きクリアしたとの見方を示した。電動車の販売が一段と増えると見込まれることから、22年も順守できるとみている。

上部へスクロール