ドイツ連邦統計局が19日発表した2021年の消費者物価指数は前年を3.1%上回り、インフレ率は1993年以来の高水準に達した。比較対象の20年はコロナ禍初年度の景気失速で石油価格が大幅に下落。同年下半期は景気対策で付加価値税率が時限的に引き下げられていた。21年はその反動と、原材料・部品不足に伴うメーカーの生産調整の影響で物価が幅広い分野で大きく上昇した。
エネルギー価格は10.4%上昇した。上げ幅は石油製品で特に大きく、暖房用灯油は41.8%、自動車燃料は22.6%に達した。交通、住宅分野で化石燃料に炭素税が課されるようになったことで価格は一段と強く押し上げられた。天然ガスは4.7%、電力は1.4%だった。エネルギーを除いたインフレ率は2.3%にとどまった。
食料品は3.2%上昇した。上昇率は特に食用油脂(5.3%)、野菜(3.9%)で大きかった。エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は2.3%だった。
食料品以外の物品では自転車が4.5%と大きかった。コロナ禍で需要が増えたうえ、材料不足で生産が滞ったことが反映されている。
サービスの上げ幅は2.1%だった。自動車整備・修理は4.4%、理容・美容は4.4%と大きい。長距離鉄道料金は1.8%低下した。
21年12月の消費者物価指数は前年同月を5.3%上回った。エネルギーが18.3%、食料品が6.0%上昇。これらを除いた基礎インフレ率は3.8%だった。
12月の前月比のインフレ率は0.5%。食料品は1.1%上昇したものの、エネルギーは1.5%低下した。鉄道料金はドイツ鉄道(DB)の値上げを受けて2.3%高くなった。サービスは1.1%上昇している。