鉄鋼大手の独ティッセンクルップは19日、製造工程での二酸化炭素(CO2)排出量を50%削減した電磁鋼板を初めて出荷したと発表した。製法は国際的な認証機関の認証を受けていることから、購入企業はカーボンフットプリントのバランスシートを改善できる。
独中堅変圧器メーカーのSGB-SMITに50トンを引き渡した。SGB-SMITはこれを用いて電力損失の少ない高性能変圧器を製造。エネルギー大手のエーオンに供給する。
ティッセンは還元鉄を使用することで高炉へのコークス投入量を削減。生産に伴い発生するCO2の大幅削減を実現した。今回納入した電磁鋼板のCO2排出量は川下工程を含め製品1トン当たり1.8トンで、従来製品3.7トンに比べ約50%少ない。
ティッセンは将来的に、再生可能エネルギー電力で製造するグリーン水素をコークスの代わりに高炉の還元剤に投入し、CO2の排出量を一段と削減する意向だ。水素還元製鉄を2025年から開始することを目指している。