乗用車新車登録7カ月ぶりに増加、コロナ禍前に比べると25%低い水準

ドイツ連邦陸運局(KBA)が3日発表した1月の乗用車新車登録台数は18万4,112台となり、前年同月を8.5%上回った。増加は7カ月ぶり。比較対象の2021年1月は新型コロナウイルスの感染拡大防止策の一環でディーラーの実店舗営業が禁止されていたほか、景気テコ入れ策として前年7月に導入された付加価値税(VAT)率の引き下げ措置が打ち切られた影響で新車登録が31%も落ち込んでおり、水準自体が極めて低かった。半導体不足に伴う生産調整は現在も続いており、新車登録台数はコロナ禍前の20年1月に比べると25.2%も少ない。

新車登録を動力源別でみると、電気自動車(BEV)は28.1%増2万892台へと拡大。プラグインハイブリッド車(PHV)を含むハイブリッド車(HV)も19.1%増えて5万4,126台となった。ただ、PHVに限ると8.2%減の1万8,900台と振るわなかった。購入補助金の交付対象となるPHVの基準が1月1日付で従来の「40キロメートル以上の電動走行が可能」から「60キロメートル以上の電動走行が可能」へと引き上げられたことが響いたもようだ。

内燃機関車ではガソリン車が7.2%増の6万7,575台と拡大に転じたのに対し、ディーゼル車は10.4%減少。これまでに引き続き後退した。

シェアをみると、BEVは前年同月の9.6%から11.3%、HVも26.8%から29.4%へと拡大。PHVは12.1%から10.3%に後退した。ガソリン車は37.1%から36.7%、ディーゼル車は26.1%から21.6%へと低下している。乗用車新車登録に占めるBEVとPHVの合計は21.6%、BEVとHVの合計は40.7%だった。

走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は123.8グラムで、前年同月から1.7%減少した。環境対応車の増加を背景に低下が続いている。

新車登録の伸び率が最も大きかった部門はミニバンで62.9%に達した。これにSUVが37.5%、大型車が29.5%、キャンピングカーが18.7%、小型車が13.9%で続く。シェアはSUVが27.8%(前年同月21.9%)で断トツの1位。2位のコンパクトカーは前年同月の19.1%から17.6%へと低下し、SUVに大きく水をあけられた。

主要ブランドの実績をみると、ダチア(109.1%増の3,991台)とスバル(104.5%増の321台)は3ケタ台の伸び率を記録した。ミニ(92.5%増の3,488台)とホンダ(90.6%増の545台)が90%台でこれに続いている。

ミニ以外のドイツ車ではポルシェ(32.6%増の2,563台)、アウディ(28.3%増の1万4,903台)が2ケタ台の伸びを確保。オペル(9.3%増の1万1,175台)、VW(7.0%増の3万6,593台)、メルセデス(4.6%増の1万8,730台)も前年同月を上回った。BMW(10.1%減の1万4,822台)、フォード(22.6%減の7,904台)、スマート(35.0%減の1,192台)は落ち込んだ。

スバルとホンダ以外の日本車ではマツダ(81.7%増の2,540台)、三菱(58.9%増の2,234台)、トヨタ(40.5%増の5,094台)が大きく伸びた。スズキは4.0%増の852台、レクサスは3.7%増の223台、日産は32.8%減の1,336台だった。

日本車以外の輸入ブランドでは現代が55.7%増の6,529台、ジープが45.8%増の1,156台、起亜が40.6%増の4,251台、アルファロメオが31.8%増の232台、DSが28.5%増の167台、ポールスターが27.9%増の174台、プジョーが15.9%増の3,864台、セアトが13.6%増の9,135台と2ケタ台の伸びを記録。フィアットは9.0%増の4,111台、シュコダは7.3%増の1万2,218台、ランドローバーは1.7%減の623台、テスラは7.5%減の419台、シトロエンは8.4%減の2,064台、ジャガーは8.7%減の179台、ボルボは20.6%減の2,876台、ルノーは31.9%減の5,587台だった。

一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した1月の国内乗用車生産台数は25万6,300台で、前年同月を8%上回った。増加は8カ月ぶり。輸出台数も6%増えて18万9,100台となった。

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