ドイツ国内の醸造所ないし倉庫から出荷されたビールの量が昨年は85億2,910万リットルとなり、前年を2.2%下回ったことが、連邦統計局の発表で分かった。新型コロナウイルス感染症の流行と感染拡大防止策が響き、飲食店、大型イベント向けの販売が大幅に落ち込んだことが大きい。コロナ禍1年目の2020年に引き続き需要が縮小した。同統計にはノンアルコールと麦芽飲料、欧州連合(EU)域外から輸入されたビールは含まれない。
昨年の出荷量を月別でみると、3月が前年同月比11.2%増、6月が9.1%増、11月が13.2%増となった以外はすべて減少した。特に飲食店とホテルの大半が営業を停止した1月(27.0%減)、2月(20.2%減)は減少幅が2ケタ台に達した。
国内市場向けの21年の出荷量(課税対象)は前年比3.4%減の69億5,360万リットルで、全体の81.5%を占めた。非課税分(輸出と醸造所内での消費)は4.0%増の15億7,550万リットル。輸出はEU向けが4.0%減の7億4,660万リットルに落ち込んだのに対し、EU域外向けは12.7%増の8億1,730万リットルへと拡大した。EU域外向けは20年も拡大しており好調だ。
ビールに炭酸水やジュールを混ぜた混合飲料の出荷量は4億4,110万リットルで、前年を0.8%上回った。ビール出荷全体に占める割合は5.2%にとどまる。
ビール出荷量は長期減少が続いており、昨年の実績は現在の統計が始まった1993年を23.9%下回った。