ドイツ連邦統計局は2月24日、同国の乗用車貿易統計(暫定値)を発表した。それによると、2021年の乗用車の輸出額は1,176億ユーロ(暫定値)で、前年を9.9%上回ったものの、コロナ禍前の19年比では8.2%減少した。半導体などの供給不足で生産が滞ったことが響いた格好だ。
輸入額は564億ユーロで、不振の前年を2.4%下回った。19年に比べると12.6%少ない。
最大の輸出先国は中国で、167億ユーロ(14.0%増)に上った。2位は米国で159億ユーロ(18.1%増)。英国は94億ユーロで3位となったものの、前年を17.0%も割り込んだ。
最大の輸入先国はスペインで、65億ユーロ(14.6%減)だった。これに米国が63億ユーロ(3.8%増)、スロバキアが52億ユーロ(9.9%増)で続く。
環境対応車は輸出入がともに好調だった。電気自動車(BEV)は輸出台数が約30万台で、その額は78.1%増の126億ユーロに拡大。19年比では増加幅が272.7%に達した。輸入額(台数29万2,000台)は75億ユーロで、前年を82.8%、19年を426.2%上回った。
プラグインハイブリッド車(PHV)は輸出台数が26万4,000台、輸入台数が22万3,000台だった。輸出額は前年比37.5%増の105億ユーロに拡大。輸入額も32.2%増えて74億ユーロとなった。
マイルドハイブリッド車は輸出台数が55万1,000台、輸入台数が20万4,000台。額は輸出が116.5%増の224億ユーロ、輸入が68.1%増の53億ユーロだった。
BEVの最大の輸出先国は米国で、20億ユーロ(110.0%増)に上った。2位は僅差で英国(96.7%増の20億ユーロ)、3位はノルウェー(30.6%増の15億ユーロ)となっている。BEVの輸入先国トップ3は米国(108.3%増の12億ユーロ)、フランス(6.1%増の9億2,700万ユーロ)、チェコ(70.5%増の8億600万ユーロ)だった。
乗用車とそのエンジン、モーターを製造する独メーカー60社の合計の売上高は前年比7.7%増の2,956億ユーロとなり、製造業売上全体の16.1%を占めた。19年(3,175億ユーロ)に比べると6.9%少ない。