ドイツ連邦雇用庁(BA)が2日発表した2月の失業者数は242万8,000人となり、前月を3万4,000人下回った。季節要因を加味したベースでも3万3,000人減少しており、デートレフ・シェーレ長官は、労働市場の回復が続いていると述べた。その一方で、「現在の指標にはウクライナでの戦争がまだ反映されていない」と指摘。戦争の成り行き次第では雇用回復にブレーキがかかる可能性があることを示唆した。
2月24日に始まったロシアの軍事侵攻を受けているウクライナでは経済活動が半ば麻痺している。このため、ウクライナからの輸出は大幅に減少。自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の独工場が操業停止に追い込まれるなど、ドイツでもすでに影響が出ている。
欧米がロシアに課した制裁の影響も大きく、多くの外資がロシア事業を停止した。ロシアからの天然ガス、石油、金属、肥料、穀物などの輸出が滞ったり、停止されれば、コロナ禍で発生した原材料や部品不足が一段と悪化し、インフレの加速や景気減速を引き起こす恐れがある。戦争と制裁に伴うこれらのリスクはドイツの労働市場にも影を落とす。
2月の失業率は5.3%で、前月から0.1ポイント低下した。前年同月比に比べると1.0ポイント低い。新型コロナウイルス感染の流行が本格化する直前の2020年2月に比べると失業者数は3万2,000人多いものの、21年2月からは47万6,000人減少しており、コロナ禍の影響はほぼなくなっている。
国際労働機関(ILO)基準の昨年1月の失業率は3.2%で、前月を0.3ポイント上回った。
新規に操短の届け出対象となった被用者の数は2月1~24日に計20万1,000人となり、2カ月連続で減少した。国の操短手当の12月の受給者数は64万人(暫定値)で、10カ月連続で減少している。ピーク時の20年4月(600万人)に達していた。
2月の求人件数は82万2,000件で、前年同月を24万件上回った。季節要因を加味した前月比でも1万2,000件増加している。求人指数BA-Xは前月を1ポイント下回る136へと上昇した。