露発着のコンテナ取扱をハンブルク港が停止、ハパックロイドなどは輸送凍結

ドイツ最大の港であるハンブルク港の運営会社HHLAは1日、ロシア発着のコンテナ取扱を停止すると発表した。欧州連合(EU)の対露制裁を貫徹するためと説明。欧州の他の港湾運営事業者に倣うとしている。

ハンブルク港はロシアからとロシア向けのコンテナの取り扱いを凍結した。ハンブルク州のミヒャエル・ヴェストハーゲマン経済相は北ドイツ放送に、同港からロシアへの輸送はすべて税関からの個別許可の取得が必要になったと述べた。取扱禁止の原則は鉄道・河川・トラックで後背地から輸送されてきた積み荷にも適用される。

ロシア向け輸送を停止する動きは海運会社などにも広がっている。独ハパックロイドはロシアがウクライナに軍事侵攻した2月24日から両国向け輸送の受付を停止した。ベルギーのアントワープから蘭ロッテルダム経由で露サンクトペテルブルグに向かう路線と、ハンブルクから露カリーニングラード経由でポーランドのグディニャに向かう路線は運行を凍結している。ドイツポストの物流子会社DHLは露事業を停止中だ。

ドイツ以外の企業では、日系3社の合弁オーシャン ネットワーク エクスプレスがロシア向けの受付を停止した。コンテナ海運最大手のAPモラー・マースク(デンマーク)は医薬品や特定の食品を除きロシアへの輸送を受け付けていない。スイスのMSCは国際的な対露制裁に抵触しない範囲でロシア事業を継続しているものの、料金前払いを条件としている。

他社から輸送キャパシティを借り受けて事業を展開するスイスのキューネ・アンド・ナーゲル(K+N)もロシア向け事業を停止していない。ロシアへの輸送を引き受けるコンテナ海運会社は現在も数社あるという。

戦場となっているウクライナ発着の輸送は各社とも見合わせている。

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