ドイツ連邦統計局と連邦経済省が7日発表した2月の鉱工業生産指数(2015年=100)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で99.3(暫定値)となり、前月を0.2%上回った。増加は5カ月連続。2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻の影響は同月の数値に反映されていない。戦争勃発で景気の先行き不透明感が急速に強まったことから、コロナ禍からの製造業の景気回復は今後、鈍化すると経済省はみている。
製造業の生産指数は0.1%増加した。消費財が4.4%、中間財が0.5%の幅で上昇。投資財は2.0%落ち込んだ。業界別では製薬が15.6%増と大きく伸びた。ワクチン製造が再び増加したことが背景にあるもようだ。機械は2.1%減、自動車・自動車部品は1.3%減と振るわなかった。
エネルギー業は4.9%増と大幅に拡大した。2月は暴風が相次いだことから風力発電量が急増。電力生産が大きく伸びた。
建設業は0.7%減だった。
鉱工業生産は新型コロナウイルス感染の流行が本格化する直前の20年2月に比べると3.8%低かった。製造業の受注は好調なものの、原料・部品不足で生産低迷が続いている。
1月の鉱工業生産指数は当初の前月比2.7%増から1.4%増へと大幅に下方修正された。