BMWとメルセデスが1-3月期販売減に、半導体不足・コロナ規制・戦争響く

独高級車大手のBMWとメルセデスベンツは7日、1-3月期の乗用車販売統計を発表した。半導体不足にコロナ規制が重なりともに販売台数が減少。BMWではロシアのウクライナ侵攻も響いた。

BMWのグループ販売台数は59万6,907台となり、前年同期を6.2%下回った。主力ブランドのBMWが7.3%減の51万9,796台と振るわなかった。年初は好調なスタートを切ったものの、ウクライナ戦争の勃発を受け同国製ワイヤーハーネスの供給が大幅に減り3月に生産調整を余儀なくされたことが背景にある。

小型車ブランドのミニは7万5,487台で、1.1%増加した。超高級車ブランドのロールスロイスは17.7%増の1,624台と好調だった。BMWとミニの電気自動車(BEV)販売は149.2%増の3万5,289台と約2.5倍に拡大している。

BMWとミニの販売台数を地域別でみると、足元の欧州は7.8%減の22万76台へと後退。アジアも7.9%減の26万4,235台と振るわなかった。世界最大の市場である中国は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためのロックダウンが響き9.2%減の20万8,507台へと落ち込んだ。南北アメリカ大陸は2.9%増の9万8,718台、米国は3.7%増の8万590台だった。両ブランドの世界販売に占める中国の割合は35.0%だった。

ピーター・ノタ取締役(顧客・ブランド・販売担当)は、コロナ禍や地政学リスクなど難しい問題はあるものの、強力な製品ポートフォリオや高い柔軟性により2022年の販売台数では前年水準を確保できるとの見方を示した。

メルセデスの乗用車販売台数は15%減の49万5,200台と大きく後退し、BMWを下回った。すべての地域で販売が減少。欧州は14%減の15万1,000台、アジアは12%減の24万9,000台、北米は20%減の7万700台、その他の地域は30%減の2万4500台だった。中国は14%減の19万2,700台で、世界販売に占める割合は38.9%に上った。

メルセデスの電動車(BEVとプラグインハイブリッド車=PHV)販売台数は6万7,800台で、前年同期を37%上回った。BEVに限ると210%増の2万1,900台と3.1倍に増えている。

メルセデスの乗用車とバンの販売台数は計50万1,600台で、前年同期を15%下回った。

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