電機業界新規受注3月も増加、大型受注効果で+14%に

電気電子工業会(ZVEI)が9日発表した独電機業界の3月の新規受注高は前年同月を13.9%上回った。ロシアのウクライナ侵攻で経済環境は悪化したものの、大型受注の効果で水準が強く押し上げられた格好だ。地域別ではユーロ圏(ドイツを除く)が40.0%増加。ユーロ圏外は10.5%増、国内は6.0%増だった。

1~3月の新規受注高は前年同期を14.6%上回った。ユーロ圏が24.8%、国内が13.3%、ユーロ圏外が10.6%の幅で伸びた。

3月の業界生産高は物価調整後の実質で前年同月比1.1%増となった。業界企業の90%が原材料・部品不足に直面していることから、増加幅は鈍化傾向にある。1~3月の生産高は前年同期比で実質2.9%増だった。

4月(第2四半期初頭)の工場稼働率は87.9%となり、1月(第1四半期初頭)の88.5%から低下した。その影響で、受注残月(受注残高が売り上げの何か月分に相当するかに換算)は1月の4.8カ月から過去最高の5.7カ月に拡大している。長年の平均は約3.5カ月。

4月の生産計画(先行き3カ月)で「拡大」を予定する企業の割合から「縮小」の割合を引いた数(ディフュージョン・インデックス=DI)は前月の36.4ポイントから25.7ポイントへと減少し、2カ月連続で落ち込んだ。

3月の業界売上高は前年同月比6.9%増の197億ユーロに拡大した。国内が7.0%、ユーロ圏が8.4%、ユーロ圏外が5.9%幅で増えた。

1~3月の業界売上高は前年同期比9.7%増の525億ユーロ。内訳は国内が12.0%増の244億ユーロ、ユーロ圏が8.4%増の106億ユーロ、ユーロ圏外が7.6%増の175億ユーロだった。

4月の業界景況感指数(DI)は17.9ポイントとなり、前月の19.3ポイントから低下した。同指数の悪化は2カ月連続。現状判断を示す指数は3.5ポイント増の54.4ポイントとなり、これまでに引き続き改善したものの、ウクライナ戦争の長期化懸念が強まっていることから、今後6カ月の見通しを示す期待指数が前月のマイナス8.4ポイントからマイナス13.3ポイントへ一段と悪化。全体が押し下げられた。

4月の輸出期待指数(DI、先行き3カ月)は前月の10.1ポイントから13.6ポイントへと上昇した。

上部へスクロール