ドイツ連邦陸運局(KBA)が3日発表した5月の乗用車新車登録台数は20万7,199台となり、前年同月を10.2%下回った。減少幅は前月の21.5%から縮小したものの、依然として2ケタ台に上っている。減少は3カ月連続。部品不足による生産低迷がこれまでに引き続き響いた格好だ。1~5月も前年同期比9.3%減の101万3,417台へと後退した。新型コロナウイルス感染流行前の2019年1~5月に比べると33%少ない。
5月の新車登録を動力源別でみると、電気自動車(BEV)は前年同月を8.9%上回った。プラグインハイブリッド車(PHV)は14.7%減、PHV含むハイブリッド車(HV)は5.8%減へと後退。内燃機関車はガソリン車が14.1%、ディーゼル車が18.4%の幅で後退した。
シェアをみると、BEVは前年同月の11.6%から14.1%へと拡大。HVも27.9%から29.3%へと伸びた。PHVは11.8%から11.2%へと後退している。ガソリン車は1.7ポイント減の36.0%、ディーゼル車は2.0ポイント減の20.3%だった。BEVとPHVの合計のシェアは25.3%、BEVとHVは同43.4%となっている。
走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は120.3グラムで、前年同月から3.8%減少した。環境対応車の販売比率増加を背景に低下が続いている。
部門別でみると、人気拡大が続くSUVは7.0%増加した。大型車も2.5%伸びている。そのほかはすべて減少。減少幅は中大型車で30.8%、中型車で25.1%、キャンピングカーで23.7%と特に大きかった。
主要3部門のシェアではトップのSUVが23.4%から27.9%へと拡大。コンパクトカーは17.4%から15.5%へと後退した。小型車は横ばいの14.2%だった。
主要ブランドの実績をみると、伸び率が最も大きかったのは電動車専門のポールスターで、前年同月比154.1%増の460台を記録。これにダチア(37.7%増の3,620台)、ホンダ(24.9%増の878台)、日産(24.5%増の2,457台)が続いた。
ドイツ車ではメルセデスが23.4%増の1万8,008台と大きく伸びた。オペル(5.5%増の1万3,057台)とフォード(4.5%増の1万2,153台)も増えている。その他のブランドはミニが3.8%減の3,473台、ポルシェが7.5%減の2,485台、アウディが12.3%減の1万6,287台、BMWが12.8%減の1万7,158台、VWが14.3%減の3万8,782台、スマートが42.0%減の1,275台。
ホンダと日産以外の日本車ではトヨタが11.6%増の6,516台と好調だった。そのほかは三菱が6.6%減の2,852台、レクサスが26.1%減の136台、マツダが48.5%減の1,950台、スズキが50.9%減の953台、スバルが53.1%減の230台となっている。
日本車以外の主な輸入ブランドをみると、ランドローバー(17.8%増の1,118台)、起亜(16.7%増の6,582台)、ジープ(4.2%増の1,095台)は増加。現代(2.1%減の8,503台)、アルファロメオ(15.0%減の226台)、ルノー(16.0%減の5,979台)、セアト(18.7%減の9,510台)、シトロエン(21.6%減の4,136台)、フィアット(25.3%減の6,833台)、ボルボ(26.5%減の2,775台)、シュコダ(30.3%減の1万645台)、ジャガー(36.0%減の245台)、プジョー(39.3%減の3,183台)、DS(42.6%減の128台)、テスラ(89.3%減の293台)は減少した。テスラの1~5月の台数は前年同期を65.0%上回っている。
増減率は示されていないものの、上海汽車系のMGロエベは5月の新車登録が818台、浙江吉利とボルボの合弁リンク・アンド・コーは同218台に上った。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した5月の国内乗用車生産台数は30万6,500台となり、前年同月を25%上回った。増加は4カ月ぶり。比較対象の21年5月に比べ営業日数が2日、多かったことなどが大きい。輸出台数も34%増えて24万2,900台となった。1~5月の累計は生産台数が前年同期比8%減の138万8,800台、輸出台数が9%減の103万2,300台だった。