輸入物価の上げ幅3カ月連続で30%超に、天然ガスは236%

ドイツ連邦統計局が6月30日発表した5月の輸入物価指数は前年同月比で30.7%増加した。上げ幅は前月の31.7%からやや縮小したものの、依然として高水準。ロシアのウクライナ侵攻(2月24日開始)を受け3カ月連続で30%を超えた。

エネルギー価格は143.8%上昇した。国内での供給不足が懸念されている天然ガスは上げ幅235.6%を記録。石炭は同332.6%、石油製品は104.6%、原油は80.2%だった。エネルギーを除いたベースでは輸入物価の上昇率が16.6%(前月17.1%)だった。

中間財の上げ幅は前月の26.8%から24.5%に低下したものの、水準はなおも極めて高い。上昇率は特に肥料・窒素化合物(172.6%)、アルミニウム(70.9%)、銑鉄・鉄鋼・鉄合金(54.8%)、バージン・プラスチック(24.4%)などで大きかった。

投資財の上げ幅は前月の7.4%から8.1%へと拡大した。機械は8.7%、自動車・自動車部品は6.5%だった。

耐久消費財も前月の8.0%から9.4%へと膨らんだ。

非耐久消費財は同13.1%となり、前月(11.9%)を1.2ポイント上回った。食料品は22.0%で、動植物性油脂は37.3%、食肉・肉製品は24.8%に上った。

農産物は平均で23.3%(前月26.9%)高くなった。コーヒー生豆が63.2%、穀物が53.1%上昇。豚も11.4%増となり、3カ月連続で前年同月を上回った。

輸入物価指数は前月比では0.9%増となり、上げ幅は前月の1.8%から縮小した。ウクライナ戦争勃発直後の3月は5.7%に達しており、上昇率は低下傾向にある。

5月の輸出物価指数は前年同月を15.9%上回り、これまでに引き続き大きく上昇した。物価全体に占める比重が約3分の1に上る中間財が20.9%(21.6%)上昇し、水準を強く押し上げた格好だ。上げ幅は肥料・窒素化合物で140.6%(135.7%)、金属で34.2%(38.6%)に上った。輸出物価の前月比の上昇率は0.6%だった。

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