高級乗車大手の独メルセデスベンツは6月29日、電気自動車(BEV)専用の次世代プラットホームを用いた車両生産を2020年代半ばから欧州で開始すると発表した。同社は市場環境が適した地域ではBEVの販売比率を30年までに100%へと引き上げる方針。欧州ではその前提が整う見通しのため、同地のどの工場でどのカテゴリーのBEVモデルを生産するかを決定した。
メルセデスは5月中旬、同社のモデルを高級度に応じて3段階に区分したうえで、上位段階のモデルを重点強化する方針を打ち出した。3段階の区分は最高級の「トップエンド・ラグジャリー」、販売規模が最も多い「コア・ラグジャリー」、同社のなかでは価格が最も低い「エントリー・ラグジャリー」。
次世代BEVプラットホームはこの区分に基づいて3種類を開発する。トップエンド・ラグジャリーのプラットホームは「AMG.EA」、コア・ラグジャリーは同「MB.EA」、エントリー・ラグジャリーは「MMA」と命名されている。
AMG.EAベースの車両は西南ドイツのジンデルフィンゲン工場で25年から生産する。同工場はトップエンド・ラグジャリーのマザー工場となる。
MB.EAベースのモデルは北ドイツのブレーメンとハンガリー中部のケチュケメート工場で20年代半ばから生産。MMAプラットホーム車はケチュケメートと西南ドイツのラシュタット工場で24年から生産する。
エントリー・ラグジャリーのモデルバリエーションは現在の7種類から4種類に削減するとともに、技術水準を引き上げ、グレードアップを図る意向だ。