自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が15日発表した上半期のグループ新車販売台数は前年同期比22.2%減の387万5,100台と大きく落ち込んだ。半導体不足、ロシアのウクライナ侵攻、中国のロックダウンが響いた格好。電気自動車(BEV)は27.0%増の21万7,100台に拡大した。
販売台数を地域別でみると、中国を除くアジア太平洋(3.0%増の15万3,800台)以外はすべて減少した。西欧は20.7%減の129万5,000台、中東欧は40.9%減の22万7,100台、北米は18.6%減の40万1,800台、南米は30.0%減の19万3,300台、中国は20.5%減の147万200台、中東・アフリカは30.8%減の13万3,900台へと落ち込んだ。販売総数に占める中国の割合は37.9%となり、前年同期の37.1%からやや拡大した。
ブランド・グループ別でみると、大衆車(ブランド・グループ・ボリューム)は24.6%減の279万4,400台へと落ち込んだ。VWブランド乗用車が23.2%減の207万6,100台、シュコダが30.0%減の36万600台、セアト/クプラが27.4%減の20万4,100台、VWブランド商用車が25.1%減の15万3,600台となっている。
高級車(ブランド・グループ・プレミアム)は19.7%減の79万7,600台で、主力のアウディは20.0%減の78万5,100台。ポルシェを対象とするスポーツ車(ブランド・グループ・スポーツ)は5.1%減の14万5,900台だった。
商用車子会社トレイトンの販売台数は13万7,300台で、前年同期を8.6%上回った。MANが26.4%減の3万4,800台、スカニアが25.2%減の3万6,800台、VWトラック・アンド・バスが5.5%減の2万8,300台と振るわなかったものの、昨年7月に買収した米ナビスターの3万7,300台が加わったことから、トレイトン全体でプラスとなった。
6月のグループ販売台数は前年同月比6.3%減の80万2,000台へと落ち込んだ。減少幅はこれまでの2ケタ台から1ケタ台に縮小している。
地域別では西欧が25.5%減、中東欧が44.2%減、中東・アフリカが28.3%減と大きく後退。北米も0.6%減少した。そのほかの地域は中国が27.2%、中国以外のアジア太平洋が3.0%、南米が0.6%の幅で伸びた。
上半期のBEV販売台数は中国が247.1%増の6万3,500台と大きく伸び、全体をけん引した。販売数が最も多い欧州は0.6%増の12万8,800台。米国は8.4%減の1万7,000台へと落ち込んだ。その他の地域は29.0%減の7,800台だった。
ブランド・グループ別のBEV販売は大衆車が25.1%増の14万7,500台、高級車が52.7%増の5万台、スポーツ車が4.8%減の1万8,900台、トレイトンが41.3%減の600台となっている。
BEV販売台数を四半期別でみると、第1四半期は前年同期比65.3%増の9万9,100台と大幅増となったのに対し、第2四半期は6.3%増の11万8,000台と小幅な伸びにとどまった。