高級乗用車大手の独BMWは19日、米国に総額17億ドルを投資すると発表した。電気自動車(BEV)の現地生産に向けた措置。車両に搭載するリチウムイオン電池セルは中国企業エンビジョンAESCから調達する。
サウスカロライナ州スパータンバーグにある工場に10億ドルを投資する。2030年までにBEVを少なくとも6モデル生産する計画だ。
エンビジョンAESCは同州内にセル工場を建設し、BMW向けの製品を生産する。同セルはBMWが独自開発した同社初の円筒形製品。エネルギー密度が従来品に比べ20%高く、航続距離は最大30%伸びる。充電時間は最大30%短くなる。生産に当たっては再生可能エネルギーとリサイクル原料を投入することから、生産に伴う二酸化炭素(CO2)の排出量は最大60%減少する見通し。
BMWはエンビジョンAESCから調達したセルをスパータンバーグ近郊のウッドラフに新設する工場でモジュール化する。年産能力は最大30ギガワット時(GWh)。同工場の建設コストは7億ドルに上る。
エンビジョンAESCは中国企業エンビジョンが日産自動車からオートモーティブエナジーサプライ(AESC)を買収して設立した企業。独乗用車大手メルセデスの米工場向けにも20年代半ばから車載電池を供給することで3月に合意している。