アウルビス―生産にアンモニア投入、パイロットプロジェクトを開始―

精銅大手のアウルビスは21日、ドイツ北部のハンブルクにある工場で燃料にアンモニアを投入するパイロットプロジェクトを開始したと発表した。2050年までの炭素中立実現に向けた取り組みの一環。プロジェクトが成功すればアンモニアの使用を本格化する意向だ。

アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油(ADNOC)から「ブルーアンモニア」1,300万トンの供給を受けた。アンモニアは水素と窒素の合成で作られる水素誘導体で、水素の安全な輸送キャリアのほか、燃料としても利用できる。ブルーアンモニアでは生産に際し化石燃料ベースの水素が用いられるものの、炭素が回収・貯留されることから二酸化炭素(CO2)は大気中に放出されない。

アウルビスのハンブルク工場ではこれまで銅線の生産に100%天然ガスが投入されてきた。パイロットプロジェクトではブルーアンモニアを20%混合して燃焼させる。プロジェクトの期間は8週間。同工場の銅線生産にブルーアンモニアを本格投入すると、CO2排出量を最大で年4,000トン削減できる。将来的にはブルーアンモニアを、再生可能エネルギー電力で作る「グリーン水素」ベースのアンモニアに置き換えていく考えだ。

上部へスクロール