自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)グループが10月28日発表した2022年7-9月期(第3四半期)決算の税引き後利益は前年同期比26.5%減の21億3,300万ユーロと大きく落ち込んだ。米フォードと合弁展開する自動運転技術開発会社アルゴAIへの出資(40%)で減損19億ユーロを計上したことが響いた格好だ。
営業利益は64.5%増の42億6,900万ユーロと好調だった。販売増と値上げが奏功。利幅の大きい高級車、スポーツ車が全体をけん引した。ロシア事業停止に伴う評価損と子会社ポルシェの新規株式公開(IPO)コストで同利益が計16億ユーロ押し下げられたものの、大幅な増益となった。
売上高は707億1,200万ユーロで、前年同期を24.2%上回った。比較対象の21年7-9月期は半導体不足とコロナ禍に伴う中国のロックダウンで生産が低迷していた。22年7-9月期はサプライチェーンのひっ迫が緩和され、受注の消化が進展。販売台数が10.6%増の218万1,000台と大きく改善したことから売り上げが押し上げられた。
同社は今回、22年12月期の販売台数を従来予測の「前期比5~10%増」から「前期並み」へと下方修正した。1-9月期の販売実績が前年同期を割り込んでいることから、12月通期での販売増は見込めないと判断した。