ルフトハンザ―伊同業ITAの買収を提案―

航空大手の独ルフトハンザは18日、経営破綻した伊アリタリア航空の後継として設立された国有ITAエアウェイズの買収に向けた提案を伊経済・財務省に提出したと発表した。同省が同意すれば独占交渉を開始する。ITAをめぐってはルフトハンザを含む航空会社や投資会社がこれまで買収を目指してきたがすべて頓挫している。ルフトハンザは再度の挑戦でITAを取得し、競争力を強化する考えだ。

2021年10月に運航を開始したITAに対しては、ルフトハンザとコンテナ海運大手のMSC(スイス)が昨年1月、共同買収の名乗りを上げた。また、米投資会社インディゴ・パートナーズも買収に意欲を示した。

伊政府が8月末、米投資会社サータレス、欧州航空大手エールフランス-KLM、米デルタ航空のコンソーシアム(企業連合)と独占交渉を行っていることを明らかにしたことで、ルフトハンザが買収する可能性は一度、遠のいていた。だが、サータレス連合の買収交渉が昨秋、決裂したことから、ルフトハンザに再びチャンスがめぐってきた。MSCはITA買収への関心をすでに失っているため、ルフトハンザは今回、単独で買収に乗り出した。

同社はITAを段階的に買収する考えだ。まずは少数出資を実施。将来的に残りの株式を取得する。

イタリア線はビジネス客と観光客の利用がともに多く、ルフトハンザにとって独米に次ぐ重要な市場となっている。ITAを買収すれば、ハブ空港フランクフルト、ミュンヘンの支線路線をイタリアに広げるほか、イタリア経由でアフリカ、ラテンアメリカ路線を拡充できる。

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