石油・天然ガス採掘大手の独ヴィンタースハルDEAは7日、ベルギーの天然ガス輸送・貯蔵大手フラックシスと共同で二酸化炭素(CO2)輸送の実行可能性調査を実施すると発表した。ヴィンタースハルはCO2の分離・輸送・地下貯留(CCS)事業開発に積極的に取り組んでおり、その一環としてフラックシスとの協業を決めた。
ドイツ南部の産業活動で発生するCO2をフラックシスのパイプラインでベルギーのゼーブルッヘ港に輸送。同港にフラックシスが建設するCO2ハブ経由で、北海に設置されるヴィンタースハル関与の貯留場まで運び込む。実行可能性調査では、既存パイプラインの転用が可能なのか、それとも新設が必要なのかを検証する。
ヴィンタースハルはこれとは別に、独北部のヴィルヘルムスハーフェン港に独自のCO2ハブを建設することを計画している。北ドイツの産業活動で発生するCO2を同ハブで一時的に保管する考え。両社はゼーブルッヘ港とヴィルヘルムスハーフェン港から北海の貯留場にCO2を運ぶ輸送システムの共同建設も検討する。
ヴィンタースハルはデンマークのCCSプロジェクト「グリーンサンド」を主導している。海底岩盤への貯留に向けた作業は8日に始まった。
同社は昨年8月にはノルウェーのエネルギー大手エクイノールと共同でCCSの包括的なバリューチェーンを構築するプロジェクト「ルナ」を発表した。ドイツの製造活動で発生するCO2をパイプラインで輸送し、ノルウェー北海海域の海底岩盤内に貯留する計画だ。