フォルクスワーゲン―グループの1-3月期販売7.5%増加―

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が21日に発表した1-3月期のグループ新車販売台数は204万600台となり、前年同期を7.5%上回った。比較対象の2022年1-3月期は半導体不足やロシアのウクライナ侵攻が響いて大幅減となっており、その反動が大きい。

中東欧は5.8%減の11万3,900台、中国は14.5%減の64万4,500台と振るわなかったものの、それ以外の地域はすべて2ケタ増となった。西欧は26.9%増の79万5,400台、北米は22.1%増の21万6,800台、南米は26.1%増の10万3,600台、中国以外のアジア太平洋は16.5%増の8万4,700台、中東・アフリカは27.5%増の8万1,700台となっている。

ブランド・グループ別でみると、大衆車(ブランド・グループ・ボリューム)は145万3,500台で、6.0%増加した。VWブランド乗用車は1.0%増の102万1,500台と小幅な伸びにとどまったものの、シュコダ(12.6%増の20万9,600台)、セアト/クプラ(37.0%増の12万5,200台)、VWブランド商用車(18.7%増の9万7,200台)が2ケタ増となり、全体を押し上げた。

高級車(ブランド・グループ・プレミアム)は7.9%増の42万1,800台で、主力のアウディは7.9%増の41万5,700台。ポルシェを対象とするスポーツ車(ブランド・グループ・スポーツ)は18.0%増の8万800台だった。

商用車子会社トレイトンの販売台数は8万4,600台で、前年同期を24.8%上回った。VWトラック&バス(17.5%減の1万2,100台)は減少したものの、MAN(41.1%増の2万7,300台)とスカニア(35.9%増の2万2,600台)、ナビスター(32.1%増の2万2,500台)は好調だった。

3月のグループ販売台数は81万2,100台で、前年同月を23.9%上回った。すべての地域で販売が増加。増加幅は西欧で33.8%、南米で32.6%、中東・アフリカで31.0%、北米で25.1%、中東欧で22.5%、中国で12.4%、中国以外のアジア太平洋で9.3%に上った。

中東欧はロシアのウクライナ侵攻(22年2月24日開始)を受け昨年3月から今年2月まで低迷していた。今年3月は比較対象の販売台数が少なかったことから、そのベース効果で大きく伸びた。

主要ブランドの販売台数をみると、VWブランド乗用車は19.9%増の39万3,700台、アウディは24.2%増の17万6,100台、シュコダは29.9%増の8万2,200台、ポルシェは16.3%増の3万1,700台と軒並み大きく伸びた。トレイトンはVWトラック&バス(27.0%減)が振るわなかったものの、そのほかのブランドが好調だったことから29.5%伸びた。

BEVは+42%

1-3月期の電気自動車(BEV)販売台数は前年同期比42.1%増の14万1,000台と大きく拡大した。グループ販売台数に占める割合は5.2%から6.9%に上昇した。

地域別では主力の欧州が68.1%増の9万8,300台と好調だった。米国は98.0%増の1万5,700台と倍増している。世界最大の市場である中国は25.4%減の2万1,500台と振るわなかったが、3月に限ると増加したという。その他の地域は37.1%増の5,600台だった。

ブランド別ではVWブランド乗用車が31.2%増の7万台、アウディが42.7%増の3万4,600台、シュコダが40.6%増の1万2,400台、セアト/クプラが318.9%増9,200台、VWブランド商用車が642.2%増の5,500台へと拡大した。ポルシェは3.4%減の9,200台と振るわず、トレイトンも38.8%減の300台へと落ち込んだ。